ブランドや企業が本当に伝えたい強い拘りは、伝えたい対象に見られていない、ということは実は多く散見されます。
今回の記事では、昨今多くなったNPSを用いてのブランディングコンテンツ調査の結果明るみになった「伝わっていなかった拘り」をどう「伝えるのか」について考えてみました。
多くの企業が「点」で考えがちなコンテンツを「線(流れ)」で捉えるだけで、ターゲットの文脈に沿って「適切なタイミング」に「適切な情報を提供できる」サイトに生まれ変わらせることができます。
しかし、なかなかそういった取り組みは大企業であればあるほど「ソリューション軸」で企業組織が出来上がってしまっていて、各コンテンツを横断的に連携した状態にすることが難しかったりします。。大企業病ですね。。
そういった状況でもあきらめずに打開策をお考えの方々にとって役立つ記事であれば幸いです。
【今回の記事はSlideShareでも読めます】
http://www.slideshare.net/HiroIshimura/ss-39501980
【今回出てくる用語】
■NPS
- 顧客ロイヤリティを把握するための指標の一つ。
- アンケート形式で調査は行われ、設問は「このブランド(製品・サービス)を家族や友人・知人にオススメしたいと思いますか?」といった内容だけである。
- 顧客ロイヤリティを0~10のスコアで『推奨者』『中立者』『批判者』の三分類に分け、批判者が推奨者よりも多ければマイナスになり、推奨者が批判者よりも多ければNPS数値はプラスになる。
【知人の悩み】NPS調査でブランディング・コンテンツが有効であると分かった
先日、知人とコーヒーを飲みながら、ブランディング・コンテンツに関するNPS調査についての界隈になりました。
[以下、会話]---------------------------------
俺氏「最近NPS調査やってましたけど?」
某氏「ああ、ブランディングコンテンツの有意性を検証
しましたよ。」
俺氏「どんな感じでした?」
某氏「コンテンツを見る事前のNPS値と見た後のNPS
値を調査したんですけど、後がすごく上がった
んですよ・・・。いい事なんですけど・・・。」
俺氏「・・・それは悩みますよねー。」
某氏「そう。悩むんですよ。伝わってないんだなーって。」
_人人人人人人人人人人人人人_
> 伝わっていない!! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
ターゲットがWEBサイトへ訪れる際、「自分の知りたいこと」を中心にサイトの情報にアクセスします。
その行動は裏返すと「自分が知りえる範囲のニーズ」を中心にサイトの情報にアクセスしていると言えます。
つまり、ブランドの拘り抜いたディープなコンテンツは「ターゲットからは見えない」ということです。
では、どうすれば伝わるのか・・・
ざっくり言うと、「ターゲットが探すコンテンツ」と「伝えたい拘りコンテンツ」のキャズムを埋めることです。
まずは自社のコンテンツの棚卸をしよう!
ざっくり過ぎたかと思うので、もう少し。
こだわりコンテンツなど、リテラシーを必要とする内容の場合、特に具体的に検討をしている~検討が進んでいる層でなければ情報の咀嚼ができず、結局は伝わりません。そのため、「伝えるタイミング」が重要になります。
まずは対応表を整理し、「伝わる層」と「層に対応しているコンテンツ」を特定し、コンテンツ間連携を企画・構築することが一先ずの早道と考えられます。
「伝わる」のを待たずに「提供する」ことも大事!!
難しい情報を難しいまま伝えて喜ぶのは一部のマニア層であり、一般層には伝わらないものです。
しかし、コンテンツの形を変え、硬度(難易度)を変えれば伝わるコンテンツになり、「伝わる拘り」になります。「伝わる」のを待たずに「伝える」ことも大事です。
伝わるブランディングで重要なのは・・・
毎回ほぼ同じまとめですが、ざっくり言うと・・・
・適切なターゲットに対して
・適切なタイミングで
・適切なコンテンツ(難易度、量、表現)が
・最適な環境(デバイス)へ
・提供できること
です。
何度か、ブログやセミナーや勉強会でも使っている上記の画像ですが、少しずつ表現は変えているものの、言っていることの本質は毎回同じです。
では、何が言いたいかというと、「点」ではなく「線」で見ましょう、というコトです。
点で見たデータは変化の過程の一部を捉えた瞬間的なものです。
前後の文脈を見ることが重要であり、「点」ではなく「線(流れ)」を意識すれば、きっとターゲットにとっても企業にとってもハッピーな結果になるのではないでしょうか。
【今回の記事のSlideShare】
ではでは。
いしむら